先輩に一直線。

「本郷先輩。」
勇気を振り絞って、声をかけた。
「なに?」
本郷先輩は、前を向いたままクールにつぶやく。早口だなぁ、まったく・・・。
「いつか、先輩の走り方、私に教えてくださいね。いつかきっと。」
「えっ・・・?」
「へへっ。先輩、すっごくフォーム綺麗だし、すっごく速いじゃないですか。
練習の時、見てました。」
「そうか。なら、いつか教えてやる。」
「ありがとうございます☆頑張ります。」
私はうれしくて、顔を真っ赤に染めた。
教えてくれる。先輩の走り方を。
先輩が約束してくれた。うれしくてうれしくて、仕方なかった。
夢みたいだった。

「荻野さん。」
「へっ?」
「ありがとう。」

ひゃい・・・?
ありがとうは、私のせりふ・・・。
どうして先輩が私に・・・??