蒲公英

―沙羅、ずっと悩んでたの。

湧己の愛情に怯えてた。

一分一秒も離れていられないような関係じゃ、ふたりともだめになる。

ちゃんと自分の足で歩きたいって。湧己にもそうしてほしいって。

けど、一緒にいたらそれができないから。

だから沙羅は黙っていなくなったんだよ。






俺の、せい…?






―ちがうよ。傍にいたら、私が立てない。だから行くんだ、って。






卒業後、決まっていた就職先を辞退し、沙羅は日本を離れて両親の元へと渡ったらしい。