「嬉しいけど、安心の方が大きくて」


『分かる。てか春菜、明日引っ越すんでしょ?』


「うん。ひろ君と住むの」


『この幸せもの。じゃあ、今度は仕事場で会おうね』


「うん。また今度ね」


バイバイと言って、ケータイを切った。


なんか、仕事場でって言葉がくすぐったい。


私も、これから社会人になるんだよね。


なんか、緊張するな。


次の日、私とひろ君は新しく住む場所に引っ越した。


「今日から、ここに住むんだよね」


「ああ」


家具もベッドも食器も揃えて、数日前からあとは住むだけにしてきた。


カーテンをサッと開ける。


「春菜」