「今度、家具とか買いに行こうか?」


「行く。楽しみだな」


それから何週間かたち、私は専門学校の卒業式を迎えた。


「春菜、卒業おめでとう」


「ありがとう、お母さん」


今日はお母さんが仕事を休んで、卒業式に来てくれた。


「もうすぐ家も出てっちゃうのね」


「お母さん・・・」


「でも、仕事ばっかりで春菜にかまってあげられなかったから」


「そんなことないよ。お母さんもお父さんも、私のこと一番に考えてくれてるもん。それだけで十分だよ」


「春菜」


お母さんが私をギュッと抱きしめる。


「結婚式のウエディングドレスは、一緒に選ぼうね」


「もうお母さんったら、それはもう少し先の話だよ」


「そうね」