沙希ちゃんってば、平気でそんなこと言うんだから。


恥ずかしいよ~


「いいな~春菜は。試験落ちても拾ってくれる人がいて」


「ちょっと~落ちるなんて不謹慎なこと言わないでよ~」


「ごめん、ごめん」


「もう、絶対受かるんだから」


「春菜はさ、真面目だよね」


そう言って沙希ちゃんは、コーンスープをすすった。


「別に真面目じゃないよ。ただ、嫌なの」


「なにが?」


「ひろ君に頼り切りなの。ひろ君だけじゃない。家族とかいろんな人に」


「そっか」


私もコーンスープを口にする。


「私こんな体だから、何かひとつは誇れるものが欲しいなって。それが昔からの夢の看護師だったらすごく嬉しい」


「そっか。春菜なら受かるよ」