「はい。沙希ちゃん」


「ありがと」


コーンスープの入ったカップを、沙希ちゃんに渡す。


「春菜ってさ、一家に一台って感じ」


「なにそれ?」


「んー料理も掃除も出来て、家事全般OKじゃん?」


「そんなことないよ。ひろ君の方が、もしかしたら出来るかもしれないし」


私が体調を崩すと、必ずといっていいほどご飯を作ってくれる。


ひろ君の部屋は、いつも片付いてるし。


というか、必要最低限のものしかないのかもしれないけど。


「弘樹さんと一緒に暮したら、家事分担とかするわけ?」


「うん。ひろ君にそう言われたから。家のことは二人でやろうって」


そう言って、レタスサンドをかじる。


「ふーん。愛されてるね~」


「そっ、そんなんじゃないよ」