「そっか。ごめんね、ひろ君。お仕事・・・」


「ん。眠って、春菜。まだ熱結構高い」


「ん・・・」


そのまままた、意識を手放した。


「じゃあ、よろしくね」


「はい」


「熱上がったら、また病院連れてきてくれる?夜中だったら、私のケータイにお願い。急いで来るから」


「分かりました」


またひろ君と怜香先生の声がする。


薄らと目を開けると、車の後ろのドアが開いていて、その近くで二人が話しているところだった。


ああ私、ひろ君の車の後ろの席に寝かされてるんだ。


「じゃあ、失礼します」


怜香先生に頭を下げたひろ君は、腰を屈めて開けっ放しになってるドアから上半身を入れてくる。


パチッと目が合うとひろ君はニッコリ笑って、私のおでこに手を置いた。


「春菜、寒くない?」