私の住んでる県では国家試験の会場がない。


だから、1日早く試験が受けれる県に移動して、試験会場の近くのホテルに泊まることにした。


沙希ちゃんと一緒に、ツインの部屋を取ったの。


「じゃあ、行こうか」


「うん」


今日仕事が休みだったひろ君に、駅まで送ってもらう。


「春菜、緊張してる?」


「うん。ちょっとだけ」


「大丈夫。春菜、いっぱい勉強しただろ?」


そう言うとひろ君は、私の頭をなでてくれる。


「じゃあ、いってくるね」


「いってらっしゃい。帰りも迎えに行くから、電話して」


「ありがとう」


改札の前で、ひろ君と別れる。


そのまま階段を下り、ちょうど来た電車に、深呼吸をして乗り込んだ。