それからひろ君と部屋探しを始めた。


場所は、私が勤める予定の病院の近く。


いろいろ見て、もうだいたい目星をつけたの。


「でも、春菜」


「ん?」


「弘樹さんと一緒に暮らせるからって浮かれてると、国試落ちちゃうかもよ~」


「わっ、沙希ちゃんの意地悪。絶対受かるもん」


「だってさ、春菜幸せオーラ出てて悔しいんだもん」


教室に入って、いつもの席に座る。


席は自由なんだけど、半年間同じ授業を同じ教室で受けるから、だいたい誰がどこの席って決まってくる。


今から、看護師の国家試験対策授業。


国試に出る分野の専門の先生が、代わる代わる授業をしてくれるの。


「にしてもさ、国試まであと1か月か」


「そうだね~これに受からなきゃ、仕事も何もないもんね」


国家試験に受からないと、仕事もクビだし。