幼なじみ～初恋～番外編

ゆっくりした時間が流れていく。


「あっ、ビール注いであげる」


「ありがと」


トクトクと音を立てて、グラスにビールを注ぐ。


「ひろ君がお酒飲むところ、あんまり見たことないね」


「そうだな。いつも運転しないといけないから」


グラスに注いだお酒を、一気に半分くらい飲み干す。


ひろ君がお酒を飲むことを知ってるけど、こうやって飲んでるところを見るには久しぶりかもしれない。


平日は飲まないし、どっかに食べに行ったときはひろ君が車の運転をするから。


「ビール、おいしい？」


「飲む？」


「うん」


残ったビールに、少しだけ口をつける。


「うっ、おいしくない」


ひろ君にグラスを返す。