怜香先生はカルテに何かを書きこんでいく。


「さっき出した薬に、新しい薬追加しといたから、帰りにもらって帰ってね」


「はい」


「それから、お迎え呼んだから、それまでここで寝てなさい」


「お迎え?誰?」


お父さんとお母さんのケータイ番号は、確か怜香先生も知ってはず。


でも二人とも仕事中だから、ケータイはつながらない。


「お父さんとお母さんなら、つながらなかったでしょ?」


「ふふ~春菜ちゃん甘いな。実はもう一人、春菜ちゃん迎えに来てくれる人知ってるのよ?」


「もう一人?」


一瞬考えたけど、すぐに答えは見つかった。


「・・・ひろ君?」


「あたり。だから迎えに来るまで、ゆっくり寝てて。点滴もまだ終わってないし」


「はい」


「あんまり無理はダメよ」