「春菜ちゃん、ちょっとごめんね」


怜香先生が私の手首を取り、脈を診る。


「弘樹君。春菜ちゃん、運べる?」


「はい。大丈夫です」


「ちょっとベットで休もうね」


「春菜。少し揺れるな」


怜香先生とひろ君の言葉に、こくんとうなずく。


「怜香先生・・・」


お母さんの心配そうな声が、私の耳に届く。


「軽い貧血だと思います」


「そうですか」


ああ私、やっぱりみんなに心配かけてる。


こんなんじゃ、認めてくれるわけないよね。


「春菜、歩くな」


ひろ君に抱き上げられながら、みんなで会議室を出てきた。