ああ私今、お母さんになんて酷いことを言ったんだろう。


私の体が弱いのは、お母さんのせいじゃないのに。


誰のせいでもないのに。


「ごめんなさい」


頭に昇っていた血が、スーッと引いていくのが分かる。


「ごめんなさい」


ただ、それだけを言うのが精一杯だった。


「頭、冷やしてくるね」


机に手をついて、立ち上がる。


その瞬間、急に膝から崩れ落ちる感覚を味わった。


「春菜!」


倒れる瞬間、ひろ君が私を抱きとめてくれていた。


「春菜、大丈夫か?」


「ごめんね。なんか、クラっとしちゃって」


目を閉じて、目眩が治まるのを待つ。