「働くっていうのを、実習と同じように考えてない?実習の数十倍は大変なのよ?」


「覚悟してる。ちゃんと分かってる」


でも、頑張りたいの。


「夢を叶える権利は、私にはないの?」


どうしてみんなは自分の道を歩けるのに、私は途中で諦めないといけないんだろう?


「入院してるとき、ほんとは辛かった。お父さんもお母さんもひろ君も帰っちゃって、眠れなかった。でもそういうとき、看護師さんが来てくれて、すごく嬉しかったの。だから、私もそういう看護師になりたいって思った。それなのにどうして、諦めないといけないの?」


「春菜ちゃん」


怜香先生が、真剣な目で私を見た。


「夢と体、どっちが大切?夢って、そんなに大事?」


「そうよ、春菜。みんな何も、看護師になることを反対してるわけじゃないのよ?」


お母さんが私の肩に手を置く。


「ほんとにそう?」


ほんとは、看護師になること自体反対なんじゃないの?


「ほんとは私に、看護師になって欲しくないんじゃないの?」