ひろ君は私の方を見ることなく、話しを続けた。


「やっぱり、春菜の体に合わないことはして欲しくない。春菜は頑張り屋だから。きっと辛くても、辛いって言えないと思うんです。それで倒れたりしたら、心配でしょうがない」


「ひろ君・・・」


分かってるんだよ、ほんとは。


みんな、私の体のことを心配してくれてるってこと。


でもね、私は自分の思った道を進みたい。


「あの、みんなが私のこと心配してくれてるのは十分分かってる」


私が話し出すと、みんなの視線が集まった。


「でも、私に決めさせて欲しい。だって、私の人生だもん。今まで我慢してきたこといっぱいあるけど、でもこれは我慢したら後悔すると思うから」


夢を諦めたら、きっと後悔する。


他のことなら諦めてもいいけど、これだけは譲れない。


「無理はしないから」


「でも春菜ちゃん。あなたが専門学校に通い始めて、病院に来る回数が多くなったの分かってるでしょ?しかも必ず実習あとには」


「分かってます」


怜香先生の言葉に、こくんとうなずく。