「春菜ちゃん、気分どう?」


「怜香先生・・・」


「胸の音、聞かせてもらうね」


病室に入ってきたのは、怜香先生と菅野さんだった。


怜香先生が聴診器を耳にはめてる間、菅野さんが私の洋服を少し持ち上げて聴診器を入れるスペースを作る。


「ちょっと冷たいかも」


聴診器を当てる前、怜香先生がそう言った。


当てられた聴診器はやっぱり冷たくて、体がぞくっと震える。


「ん。いいよ」


そう言われて、洋服を直す。


「怜香先生、さっきはごめんなさい」


謝れば、怜香先生は笑顔を見せてくれる。


「いいの。でも私の考えは変わらないから。春菜ちゃんも考えてみて」


こくんと小さくうなずく。


「それより、あんまり胸の音よくないな~」