「春菜、髪やったげる」


「髪?」


今日はポニーテールしてるんだけどなと思いながらも、沙希ちゃんに背中を向ける。


「春菜の髪って、いつ触っても気持ちいいよね」


沙希ちゃんはよく私の髪をイジル。


なんでって聞いたら、髪の毛フェチなのって答えが返ってきた。


「サラサラのストレート、羨ましいな」


そう言いつつ、沙希ちゃんが私に鏡を渡す。


「今日はおだんごね」


「うん」


沙希ちゃんにされるがまま、大人しく待つ。


「春菜が朝と違う髪型で帰ってくるのは、沙希ちゃんがやってたからか」


ひろ君が私の隣で笑顔を浮かべてる。


「そうですよ~春菜かわいいから、どんな髪型でも似合っちゃうんだから」


「も~沙希ちゃん。私かわいくないよ」