「今すぐってわけじゃないんだけどね、私と沙希ちゃんの就職試験が終わったころ」


そう言ったら、ひろ君が考える顔を見せる。


「あっ、仕事忙しかったらいいんだよ。断るから」


「いや、仕事は大丈夫なんだけど。春菜、日差しとかあんまり得意じゃないだろ?」


「うん。でも、行ってみたいな」


ダメもとでそう言うと、ひろ君がポンポンと私の頭をなでた。


「じゃあ、春菜の体調がよかったら行こうか」


「いいの?」


「ああ」


ひろ君が優しく微笑む。


「楽しみ」


「俺も」


「ちゃんと体調整えるね」


沙希ちゃんが言ってたけど、楽しみがあると大変なことでも頑張れる気がする。


就職試験まであと少し。