「私から春菜ちゃんの体のことも話しておくし、その方が私も安心なの」


「そんなの、ダメです」


目の前が涙で滲む。


「いつまでも人を頼るのはイヤ。一人で就職先も見つけるんだから」


「でも春菜ちゃん」


「この体のせいで、今までいろんな人に迷惑かけてきたから。こほっこほっ・・・」


急に咳が出てきて、呼吸が苦しくなる。


「もう・・・ちゃんと・・・」


「春菜ちゃん、少し落ち着こうか」


「こほっこほっ・・・こほっこほっ・・・」


「深呼吸出来るかな?」


すぐそばに怜香先生が来てくれて、背中をさすってくれる。


それでもなかなか咳が止まらなくて、呼吸が苦しくて、怜香先生の声がだんだん遠くなる。


「誰か!」


止まらない咳の中、最後に聞いたのは、怜香先生が看護師さんを呼んでる声だった。