ひろ君の手が伸びてきて、私の頭をなでる。


「春菜は、怜香先生に仕事を紹介してもらうことは、甘えだってズルだって思ってるんだろ?」


「うん」


「でも怜香先生は春菜のことずっと昔から見てくれてるから。だから、春菜のこと春菜の体のこと、一番よく分かってると思う。そんな怜香先生がそう言ってるんだから、やっぱり春菜が交代制で働くのは無理なんじゃないのかな?」


「うん・・・」


やっぱり、そうなのかな?


無理だから、諦めないといけないの?


「もう、履歴書なんかは出してきちゃったんだろ?」


「うん」


「ほんとは反対だけど、出しちゃったなら受けたらいい」


「ひろ君!」


その言葉にハッと顔を上げると、ひろ君が一瞬笑顔になった。


でもすぐに、真剣な顔に戻る。


「でも受かったら、本気で考えよう。春菜が働けるのか。おじさんとおばさんと、怜香先生と俺で」


「うん」