「そっか。よかった」


春菜が飲んでくれて、ホッと息をつく。


「ねえ、ひろ君」


「ん?」


「なんか、ひろ君にバレンタインもらったみたい。逆チョコだね」


「そう言えば、そうだな」


逆チョコか。


あんまり考えてなかったけど、そう言うことになるのかな。


「ありがとう、ひろ君」


「うん」


赤い顔をしながら、カップに口をつける春菜。


少し元気が出たみたいでよかった。


毎年バレンタインは、春菜にもらうだけだった。


だからたまには、逆チョコもいいかもしれないな。


春菜の笑顔を見て、そんな風に思った。






・・・END