「春菜」


何か食べて薬を飲まないといけないと思い、かわいそうだけど体を揺り動かして春菜を起こす。


「んっ」


「気分どう?」


「頭痛いの」


「そっか」


ゆっくりと頭をなでる。


「何か食べて薬飲もう。そうすれば楽になるから」


「食べたくない」


体調が悪くても、なかなかワガママを言わない春菜。


それなのに食べたくないって言うことは、相当具合が悪いんだろう。


「ちょっとだけ待ってて」


そう言って春菜の頬をなでて、寝室を出た。


台所に入って冷蔵庫を開ける。


牛乳と板チョコを取り出して、冷蔵庫を閉めた。