「そっか。よかった」


笑顔を見せる春菜。


「あのね、ひろ君」


「ん?」


「バレンタイン、用意できなくてごめんね」


「バレンタイン?」


壁に掛かっているカレンダーに目を向ける。


そっか、今日は2月14日だ。


「気にしないで」


「元気になったらちゃんと用意するね」


「うん。楽しみにしてるな」


頭をなでると、また春菜の目がトロンとしてきた。


「おやすみ、春菜」


「うん」


何回か春菜の頭をなでると、静かな寝息が聞こえてきた。