「はぁはぁ」


春菜の額にそっと手を置く。


「熱いな」


3日前から風邪を引いて高熱を出していた春菜は、今朝になってもなかなか熱が下がらないでいた。


「ひ・・・君」


「ん?」


春菜の目がゆっくりと開く。


「はる君は?」


「さっきお義母さんが連れて行ってくれたよ。動物園に連れて行ってくれるって」


「そっか。よかった」


少しだけ笑顔を浮かべた春菜は、また目を閉じた。


きっと話すのも辛いんだろう。


さっき熱を測ったら、8度8分もあったし。


「早く熱下がるといいな」


そっと頭を下げて、寝室を出た。