「ほら春樹、お母さんの氷枕作るの手伝って」


「うん!」


ひろ君がはる君の手を取って、寝室を出て行く。


開いたドアから、二人の声が聞こえる。


はる君は幸い、私のように体の弱い子にはならなかった。


だからか、こうして私が熱を出すと面倒を見たがる。


きっとひろ君のように、優しい子になるんだろうな。


そんなことを考えながらウトウトしていると、また二人が寝室に戻ってきた。


ひろ君が私の頭を持ち上げると、はる君がそっと氷枕を置いてくれる。


「ふふっ」


「何笑ってるの?」


「ううん。私って、ものすごく幸せ者だなって思って」


ひろ君、はる君、ありがとう。


私はとっても幸せ者です。


二人とも、これからもずっと大好きだからね。








・・・END