お風呂を出て、自分の部屋で髪を乾かす。


鏡に映る自分を見て、なぜだかため息が漏れた。


長い髪を一気に乾かし、顔に化粧水をぺチぺチとつける。


保湿液とかあったけどもう何もする気になれず、そのままベッドに大の字に寝転んだ。


今日学校で貰い、枕元に置いてあったM大付属病院の募集要項に目を通す。


「どうしよ」


たとえ、怜香先生に無理って言われていても、受けるのは自由だよね。


募集人数は少ないし、絶対受かるとは限らない。


新人の看護師を取るより、ある程度経験のある看護師を取るかもしれない。


「受けようかな」


入院患者さんのいる病院で働くのは、私の昔からの夢。


その中でも小児科で働きたいのは、私が昔から入退院を繰り返していて、少しは患者さんの気持ちが分かると思ったから。


寂しい、苦しい、子供のいろんな気持ち、私も同じような経験をしてきたから。


「受けようかな」


もう一度呟いた声は、私しかいない部屋の中に吸い込まれていった。