「いただきます」


お母さんとこうやって朝ごはんを食べるのは、いつぶりだそう。


ずっとずっと昔のことのような気がする。


「春菜」


「ん?」


「こうやって春菜とゆっくり出来るのは、何年ぶりかしらね?」


「うん」


私が小さいころから仕事ばかりだった両親。


たくさん愛してくれた。


でもね、こうやって一緒に過ごす時間は少なかったと思う。


「寂しかったよね?」


「そんなことないよ。だって、お母さんもお父さんも、いっぱい愛してくれてるから」


一緒にいる時間は少なくても、それだけはずっと感じてた。


「今さらだけど、いっぱい甘えていいからね」


「うん。ありがとう、お母さん」