温かい日差しが病室に降り注ぐ。


「コラ、春樹」


春樹を病室に連れてきて、どれくらい時間がたったんだろう。


さっきから春樹の手が、春菜の顔にバシバシ当たってる。


「お母さん痛いからな」


優しく手をどけて春菜の顔を覗く。


そっと春菜の頭をなでる。


「春菜!」


一瞬、春菜のまつ毛が揺れたように見えた。


「春菜!」


必死に声をかける。


また春樹の手が、春菜の頬に当たる。


「春菜!」


さっきより強く揺れるまつ毛。


「起きて、春菜」