「あっ、弘樹さん」


「沙希ちゃん」


次の日仕事が終わり病院に行くと、春菜のところに沙希ちゃんが来ていた。


「お仕事お疲れ様です」


「沙希ちゃんも」


沙希ちゃんが席を譲ってくれる。


「春菜、ただいま」


声をかけて頭をなでても、何の反応もない。


「春菜は、いつまで眠り姫でいるつもりでしょうね」


「そうだな」


「いい加減、春菜の声聞きたいよ」


なあ春菜、みんな春菜が起きるの待ってるんだ。


だから、早く目を覚まして。


俺の名前呼んで。


春菜の笑顔を見せて。