「うん。ここで待ってる」


ひろ君に頭をなでられて、私は赤ちゃんを生むために分娩室に入った。


「はい。いきんで」


「んー」


苦しくて、息が出来なくなる。


「はぁはぁ」


「酸素してあげて」


酸素マスクがつけられる。


「もう少し頑張れる?」


前田先生の言葉に、小さくうなずく。


「もう一回いきんで」


「んー」


「ほら、頭出てきたよ」


「もう少し、もう少し」


その言葉に、最後の力を振り絞った。