「春菜、大丈夫か?」


どれくらい一人で痛みに耐えてたんだろう?


少し息を切らしたひろ君が、私の顔を覗きこんできた。


「ひろ君、来てくれたの?」


「うん」


ひろ君が腰を擦ってくれる。


それだけで少し楽になった。


「あとで親たちに連絡してくるな」


「うん」


今度はひろ君と一緒に痛みに耐える。


「痛っ」


「痛いな春菜。でももう少しだから」


どんどん激しくなる痛みに耐えられなくて、ひろ君の腕をギュッと握ってしまう。


だんだん陣痛の間隔が狭くなり、私は分娩室に運ばれることになった。


「ひろ君、行ってくるね」