「春菜、お腹触らせて」


「うん、どうぞ」


夕ご飯のあと、お腹を触りたいと言った沙希ちゃん。


まだ膨らみもないお腹に、そっと沙希ちゃんの手が添えられた。


「ここにいるんだよね」


「うん」


小さな命は、私のお腹の中でちゃんと育ってる。


「元気な赤ちゃん生んでね」


「ありがとう、沙希ちゃん」


10時ごろ、沙希ちゃんと拓海さんは家に帰って行った。


「春菜、疲れてない?」


「うん。今日は沙希ちゃんが全部してくれたから」


久しぶりにひろ君と一緒のベッドに入る。


「ひろ君、温かい」


「うん。俺も」