お皿を洗ったあと、沙希ちゃんは紅茶を淹れてくれた。


「なんか沙希ちゃん、この数時間で家のキッチン使いこなしてるよね」


「だって、使いやすいもん」


テレビから流れるワイドショー


病院と違って、やっぱり家は落ち着くな。


病院って、やっぱりなんだかドタバタしてるし。


「沙希ちゃん、今日はありがとう」


「いいのいいの」


沙希ちゃんがニッコリ笑って紅茶をすする。


それから夕方になって沙希ちゃんが夕ご飯を作ってくれてる間に、ひろ君が帰ってきた。


「今日はありがとな、沙希ちゃん」


「いいえ~あっ、あとで拓海来るんで相手してください」


「そっか。分かったよ」


ひろ君が寝室に入って行くので、私もついていく。


脱いだスーツを受け取って、ハンガーに掛けた。