「それに先生、私、総合病院の小児科に勤めたいんです。そのために勉強だってしっかりやらないと」


「春菜ちゃん」


怜香先生が、私と向き合った。


「春菜ちゃんの就職のことは、一回ちゃんと話し合わないといけないと思ってたの。同じ医療関係者として、あなたの主治医として」


「怜香先生・・・」


「今医師不足看護師不足と言われてる中、春菜ちゃんが看護師になりたいって言ってくれて、医療に関ってる私としては、すごく嬉しかった」


怜香先生が一瞬、穏やかな笑みを浮かべる。


「でもね、春菜ちゃんの主治医っていう立場から言わせてもらうと・・・」


それでもその表情はすぐに、険しいものに戻った。


「春菜ちゃんに総合病院なんかの大きな病院で、日勤や夜勤の交代制で働くのは、無理だと思う。それこそ、体を壊すわ」


「でも・・・」


「ねえ、春菜ちゃん。小児科なら、私の友達がやってる病院を紹介してあげるわ。個人病院だから、夜勤とかもないし」


「それは・・・イヤです」


「春菜ちゃん・・・」


怜香先生が、困った顔を私に向ける。