「そっか。嬉しいな」


私を抱く腕に、力がこもる。


「春菜」


「ん?」


「結婚、しようか」


「うん」


ひろ君の唇が、そっと私の唇に触れる。


「じゃあ、これからの春菜の仕事に、結婚式のプランを練ることも入れておいてな」


「うん」


専門学校に入ってから今までずっと、全速力で駆け抜けてきた気がする。


もともと体力のない私に、それをずっと続けるのは無理だったんだよね。


「ひろ君、少し休むね。そしたら、元気になるから」


少し休んで、今度はゆっくり歩いて行こう。


きっと私には、それが合ってるから。