「高木さん、話終わったの?」


「はい。すみません、抜けちゃって」


「ううん。何もなかったから大丈夫だよ」


先輩たちが笑って、また仕事に戻る。


いつから私は、みんなに迷惑かけてたんだろう。


きっと、更衣室で先輩たちの話を聞いてしまう前から、迷惑かけてたんだろうな。


「ただいま」


心が重いまま、家に帰る。


ひろ君は、もう仕事に行ったあとみたいだった。


「なんか、息苦しい」


ベッドに横になって、ゆっくり深呼吸する。


「弱いな、私」


息苦しくなったのは、どこか具合が悪いからじゃない。


主任に言われた言葉が、心も体も締めつけてるから。


精神的に弱いから、こんな風になるんだ。