「沙希ちゃん」


「ん?どうした?」


「なんか、ごめんね。迷惑かけて」


「迷惑だなんて思ったことないよ。思ってたら専門のときに、とっくに縁切ってるし」


沙希ちゃんはニッコリ笑うと、車を発進させた。


「さあ、どうぞ」


「おじゃましまーす」


それから15分くらい車を走らせて、沙希ちゃんと拓海さんのマンションに着いた。


「綺麗な部屋」


「ものが無いだけだよ。その辺座ってて」


そう言われてリビングのソファーに腰を下ろす。


「はい。どうぞ」


しばらくすると、沙希ちゃんが冷たいコーヒーを持ってきてくれた。


「ありがとう」


受け取ってミルクとガムシロップを入れる。