拓海との電話を切って、ホッと息を吐く。


そんなことがあったのか。


だから春菜があんなこと言ってきたんだ。


私のこと嫌いにならないで、迷惑かけないから。


嫌いになるわけないのに、迷惑だなんて思ったことないのに。


もう一度寝室に向かう。


「はぁ、はぁ」


「春菜」


苦しそうな春菜の様子が目に入ってくる。


ベッドに座って、春菜の頭をなでる。


「苦しいな、春菜。心も体も」


でも、正直春菜の先輩たちがそう言うのも分かる。


どんな仕事でも、一人で全てをやるのは無理だ。


だから、誰かに休まれると困る。


一日ならまだしも、長期間休まれると尚更だ。