『実は春菜ちゃんが休んでるときからそういうことあったらしくて。沙希が春菜には聞かせないようにしなきゃって言ってたんだけど、今日たまたま春菜ちゃんが聞いちゃったらしくて』


「そうなんだ」


『沙希がさ、春菜は一生懸命やってるのに、そういう風に言われるのは可哀そうって。ずっと泣いてて』


「沙希ちゃんは優しいな」


きっとそういうことは前からあったんだろう。


でも今日まで春菜がそういうことを聞かなかったのは、沙希ちゃんのおかげなんだろうな。


『春菜ちゃんは?』


「熱あって寝てる。病院連れて行こうか迷ってるところ」


『そっか。ごめんな、こんな電話で』


「いや、聞けてよかったよ。今日の春菜、様子が変だったから」


『そっか』


「沙希ちゃんは?」


『沙希も俺に抱きついて寝てる。かなり泣いてたから、疲れたんだろう』


「教えてくれてありがとうって言っといて」


『分かった。じゃあな』