ポンポンと春菜の背中を叩く。


しばらくすると、静かな寝息が聞こえてきた。


横抱きに向きを変えて、まだ顔に残った涙を指で拭う。


「春菜・・・」


こんな風に泣きながら俺に抱きついてくる春菜を、初めて見た。


仕事で何かあったんだろうか?


「こほこほ」


泣いたせいか、さっきより顔を赤くし、苦しそうに咳をする。


春菜をそっとベッドに下ろし、布団をかけた。


「おやすみ、春菜」


寝室の電気を消して、キッチンに向かう。


食べかけの食器を片付けて、また寝室に戻った。


「んっ・・・」


苦しそうに寝返りをうつ春菜。


病院、連れて行った方がいいかもしれない。