「なんかさ、最近仕事多くない?」


「ああ、あれじゃない?高木さんが休むから、代わりに入ったりして」


「あれ、キツイよね~てかさ、看護師なんだから自分の体調管理くらいしっかりして欲しいよね」


「分かる~出来ないなら仕事やめて欲しいよね。時々来られてもしょうがないし」


そっか、私ってこんな風に思われてたんだ。


顔は笑ってても、心の中ではこんな風に思ってたんだ。


「春菜、おはよ。具合大丈夫?」


「あっ、おはよ沙希ちゃん」


ニッコリ笑ったつもりだったけど、上手く笑えてたか分からない。


「どうした、春菜。まだ具合悪いのに出てきちゃった?」


心配そうに私を見てくる沙希ちゃんの顔が、更衣室から聞こえてくる声にハッとした表情になる。


「春菜・・・」


「ん、私は大丈夫だよ」


今度こそちゃんとした笑顔を、沙希ちゃんに見せる。


それから深呼吸して、更衣室のドアを軽く叩いた。