「熱、高かった?」


「9度越えてた」


「そっか」


こんなに熱出たの、いつ振りだろう。


「怜香先生呼んでくるから、起きて待ってられるか?」


「うん」


ひろ君が病室から出て行き、しばらくすると怜香先生と戻ってきた。


「春菜ちゃん、目覚めた?」


「うん」


「じゃあ、ちょっと診察するね」


その言葉に、ひろ君がベッドから少し下がった。


怜香先生が聴診器を耳にはめる。


「深呼吸して」


怜香先生に言われるまま、何度か深呼吸を繰り返す。


「はい、いいよ」