「うん」


助手席に乗り込むと、ひろ君が車を発進させた。


「ひろ君、仕事途中だったりした?」


「そんなことしたら会社クビになっちゃうよ。安心して。定時で終わってきただけだから」


「うん」


すぐに家に着いて、ベッドに横になった。


「心配したよ」


「ごめんなさい」


ひろ君が私の頭をなでる。


「食欲はある?」


「ううん。食べたくない」


「じゃあ、ゼリーとかなら食べられる?」


「ちょっとだけなら」


「そっか」


ひろ君が優しく私に微笑む。