「眠ったか」


少し苦しそうだったけど、それでも規則的に聞こえる小さな寝息に、ホッと胸をなで下ろす。


「やっぱり、ついててやるべきだったな」


数日前から体調を崩していた春菜。


それでも休めない授業があるからと学校に行き、その結果今朝になっての高熱。


朝は俺が仕事前に病院に連れて行き、帰りは春菜一人でバスで帰る予定になっていたけど・・・


昼休みに入りケータイの電源を入れたところで驚いた。


怜香先生からメールと電話が入っていたから。


急いでかけ直し、春菜の様子を聞いた。


春菜は昔から、特に気管支が弱い。


風邪を引くと高熱に加えて、咳が酷い。


今も眠りながらも、時々咳をしてるし。


発作のように、たまに咳が止まらなくなる。


でも今回は、怜香先生が近くにいてくれてよかった。