気にしなくていいって言われても、やっぱり気にしてしまう。


「ひろ君。私、重かったでしょ?」


そう言うと、ひろ君の目が大きく開かれた。


「春菜、それ本気で言ってる?こっちは逆に、軽過ぎて心配になったし」


「いろいろ、ごめんなさい」


「春菜」


小さくため息をつくと、ひろ君は少し笑顔になって、ポンポンと私の頭をなでた。


「こーゆーとき、なんて言ったらいいか知ってる?」


「ん?」


「ごめん、じゃなくて、ありがとうって言えばいいんだよ」


そっか。


ごめんより、ありがとうの方が、言われた人も嬉しいよね。


「ひろ君、ありがとう」


「どういたしまして。春菜、もう少し眠って」


ポンポンとリズムよく頭をなでられ、私はいつしか今日何度目か分からない眠りに落ちていった。