「今?3時だよ」


自分の腕時計で時間を確かめる。


「そっか~3時か~」


なんだか嬉しそうな美海ちゃん。


「あっ。今日は、賢人君来るの?」


「うん!美海に会いに来てくれるの」


「そっか。よかったね」


賢人君は、美海ちゃんの幼なじみ。


同じ病院に生まれて、ベッドが隣同士で、家も隣。


お母さん同士が仲良くて、美海ちゃんたちも常に一緒にいたんだって。


美海ちゃんが入院してからも、賢人君はたまに会いに来てくれる。


「美海!」


「賢人君!」


賢人君がパタパタと小さな足音を立てて、美海ちゃんに向かって走ってくる。


「コラ、賢人君!走っちゃダメでしょ?」