今もまあ、あまりに熱が高いと点滴されちゃうんだけどね。


しばらくすると美海ちゃんの担当の竹田先生が来て、美海ちゃんを診察した。


「美海ちゃん、ごめんな。熱高いから点滴するな」


「やだ。痛いもん」


「大丈夫だよ、美海ちゃん。竹田先生、いつも痛くないようにやってくれるでしょ?」


竹田先生はベテランの小児科医で、注射も点滴もやるのすごく慣れてるし上手なんだよね。


「ちょっとだけチクッとするぞ」


そう言って竹田先生は、美海ちゃんに点滴の針を刺した。


美海ちゃんの腕には、注射の針を刺した痕が何個か残ってる。


実は私も、何回も腕に針を刺したから、少しだけ痣みたいなのが残っちゃってるんだ。


「美海の腕、注射の痕いっぱい」


「ごめんな、美海ちゃん」


竹田先生が申し訳なさそうに美海ちゃんに謝る。


「大丈夫だよ、美海ちゃん」


私は着ていたカーディガンの腕を少し捲って、美海ちゃんに見せた。