「裕子」


名前を呼ばれて体を少し離されるとすぐ近くに君の顔があった。


「大事にするから」

「……うん」

「不安だってさせない。楽しいこともこれからいっぱいしよ。喧嘩もしよ」

「喧嘩ばっかりは嫌だよ」

「わかってるけど…喧嘩してもちゃんと仲直りしような」

「……うん」


まるで愛を誓うように、一つ、一つと約束した。


おでことおでこをくっつけて、鼻の先もくっつくくらい至近距離で見つめた。





「裕子、好きだよ。

付き合ってください」



重なった君の唇に私は目を閉じた。


離れてはまた重なる君とのキスに溶けそうになるほど感じる。





―――――クリスマス。


私と君の想いが通じ合った聖なる夜。



幸せな日々がこれからもあることを夜空に広がる星にそっと願った。





裕子side.fin