友達が同じ高校だから受けると私は言ったけど。
君が私と同じところを受けると言ったから、今の高校に決めたこと。
君は知らないでしょう?
「…俺、裕子とずっといたくて同じ高校に入ったんだよ」
勿体ないくらい、君のその台詞は私の心を包み込んだ。
私も、ずっと一緒にいたかったから。
「裕子」
「…ん…」
「俺、自信ついたよ」
君はいきなりベンチから立ち上がって私の目の前に立った。
すぅっ…と深呼吸を一回。
バチと目が合うと君は微笑んだ。
「俺っ、中川拓哉って言います!」
「…………え?」
「好きなことはゲームすること。寝ること。愛犬のココアと戯れること」
「拓哉?」
「嫌いなことは勉強!大嫌いですっ。あと野菜も大嫌いっ」
「…………」
「将来の夢は、好きな奴と結婚して幸せに暮らすこと!」
「…女じゃないんだから…」
ああ。もう駄目だ。
私、限界だよ。
―――早く、早く。
続きが早く聞きたいよ。

