「そだっ言うの忘れてた!お父さんがね…今度皆で夕食食べに行かないかって…
蓮人にも蓮人のお母さん達にも、ちゃんと話したいんだってさ」

「いいねっ、夕食も美里依と一緒じゃん!」

「っ!恥ずかしいこと言わないでっ!」

「…プッ…ガキッ!」

「なにをーーー!!」


いつものように過ぎる日常…
もう1ヶ月はとっくに過ぎてる…
だけどそんなこと関係ない。
目の前に大好きな人達がいて…仲良くいられる幸せ…
どうってことない当たり前の日常が…私にとっては大事な大事な宝物。


「……蓮人?」

「?なに?」

「大好きっ!!」

「…………」


蓮人の顔が近付いて…


「…俺も。」


私の唇にキスをした。


「…!」


びっくりしたけど…
すごく嬉しい。


「…!ゴメン…今の…忘れて……」

「なんで?」

「恥ずかしくて死にそう…」

「…プッ…蓮人のガキッ」

「んな…ガキに言われたくないっ!」

「じゃお互い子供だねっ」

「……まぁな。」


笑ってると、子供がよく持ってるビニール性のボールが道に転がってく。
蓮人がそれに気付いて取りに行った。


「すみませーん」

「大丈夫だよ!待ってな!そっち投げるから!!」


そう言ってボールを追いかける。
なんか嫌な感じがして、辺りを見回したら…すごいスピードでカーブを曲がってきた車がいて…携帯を見てた…


「蓮人っ!危ないっっ!!」


走った私の手が、蓮人を道路から弾き出した。




ドシャッ




「キャアアアァァァァ!!」


目の前が真っ暗な世界で聞こえたのはこんな悲鳴と…


「美里依っ!美里依ーーー!!!」


私を呼ぶ…蓮人の声…